理論株価について!求め方計算方法含めて解説します!
まず、企業価値を算出する計算式をご紹介します。
企業価値=株式時価総額+純有利子負債(有利子負債-現金・預金等)
つまり1株あたりの企業価値(株主価値)ということです。
理論株価=企業価値-(純有利子負債+現金同等物)
この計算式での株式価値は、帳簿から割り出して計算された株価です。これが理論株価ということになります。
実際の市場での株価が理論株価(適正株価)より安い場合、その株式は割安ということになり、もし実際の株価のほうが高ければ割高と判断されるのです。
②PERを使った計算式
理論株価 = 1株あたり純利益(EPS) × 適正とされるPERの水準(10~20※)
「1株当たり当期純利益(EPS)」とは、1年間の企業活動で株主にもたらされる利益となります。 株価はどうやって決まる
その算出方法は、
EPS(円) = 当期純利益 ÷ 発行済株式総数
次に、PERとは、株価が割安か割高かを判断するための指標です。
株価収益率(Price Earnings Ratioの頭文字をとっている)のことで、利益から見た「株価の割安性」。株価が「1株当たりの当期純利益(1株益)」の何倍になっているかを示す指標となります。
PERを割り出す数式を紹介してみると
PER=株価÷1株当たり当期純利益(EPS)
※一般には、PER15倍くらいが適正な水準といわれますが、業種に合わせて、PERの水準を変えて計算するとよいため、適正とされるPER水準は10~20としています。
③BPSとEPSを使った計算式(2種類)
理論株価 = EPS × 10 + BPS
EPSの算出方法は、前述しました通り
EPS(円) = 当期純利益 ÷ 発行済株式総数
でした。
次にBPS(ビーピーエス、Book-value Per Share)は、
和訳すると一株あたり純資産で、計算方法は次の通りです。
計算式は純資産÷発行済み株式数となります。
③の計算式には、もう1種類の計算方法があります。
事業価値の計算に成長率を加えて評価する場合、以下の式になります。
理論株価 = BPS + 今期予想EPS + 来期予想EPS + 来期予想EPS ×(売上成長率+売上成長率の2乗+売上成長率の3乗+売上成長率の4乗)
今までご紹介した計算方法は、1年間の企業活動を終了して算出した数値で計算していますが、最後の計算方法は、来期の予想利益も計上します。
過去のデータだけでなく、企業の将来性まで計上するということです。
理論株価の使い方
自社の正確な理論株価を算出するには、顧問税理士など専門家に依頼することがお勧めです。財務データをもとに理論株価を算出して、将来性も分析してくれます。
経理を担当している、経営している会社の現在の理論株価を知りたいと思ったら、まず税理士に相談してみてはいかがでしょうか?
現在の理論株価を把握することは、経理面でも経営面でも有益です。
理論株価を活用する際の注意点
株価が下落トレンドであるときに買わない
割安な株価が修正されるまで時間がかかる(長期的な視点で投資する必要がある)
株価は本来、企業価値を表しているはずなので、割安な株価は修正される、つまりは適正株価に向かって上昇するはずです。
しかし、短期的な株価は需要と供給の関係によって決まるため、修正されるのがいつかであるかは誰にもわかりません。長期間、割安なまま放置されることもあり、この状態を「バリュートラップ(割安のわな)」とよびます。
バリュートラップを抜け出すには上方修正等が起きるのを待つか、上方修正や増配等が起きそうな銘柄を探す必要があります。
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