100万円が16万円になる悲劇…大損した投資家が今年に入って買っていた"ある投資信託"
■リスクは高いが、絶対買ってはいけないわけではない この数年は米国株式市場、中でもナスダックは非常に好調でしたから、レバレッジ型投信で大きな利益を挙げた投資家も多かったと思いますが、歯車が逆回転してしまうとたちまち大きな損失が出るので、レバレッジ型投信というのは非常にリスクの高いものであることは十分承知しておく必要があります。 ただ、レバレッジ型投信は絶対買ってはいけないのかと言えば、そういうわけではありません。使い方によっては有効な場合もあります。株式投資の場合でも信用取引というやり方があります。信用取引とは、一定の保証金を証券会社に担保として預けることで、証券会社から資金を借りて株を買う取引です(逆に株券を借りて売る取引もあります)。この場合は自己資金の何倍もの株を買うことができますので、これもレバレッジを効かせた取引と言っていいでしょう。 ■あくまで短期取引と割り切って では一体どんな場合にレバレッジ型投信や信用取引を利用するのが良いかということですが、それは「どう考えても大きく下がり過ぎていると考えるので、ごく短期間の間に株価が戻ることを予想して利益を取りに行こう」と考えた場合です。 例えば2020年の始め頃、コロナ禍が拡大することで2月から3月にかけての1カ月という短期間の間に株価は3割以上下落しました。あの下がった時にレバレッジ取引をおこなっていれば、ごく短期間のうちに大きな利益を挙げることができました。もちろんその場合はかなりリスクを取ることを覚悟しないといけなかったわけですが、リスクとリターンは常に表裏一体です。大きなリスクを取ったからこそ高いリターンを得ることができたとも言えます。 いずれにしてもレバレッジ型投信に投資するのであれば、あくまでも短期取引と割り切っておこなうことが大切です。「下がっても持っていればその内上がる」ということは考えない方が良いでしょう。決して長期保有には適さないものですから、まちがっても「NISAで5年間持っておこう」などとは考えない方が良いと思います。 ---------- 大江 英樹(おおえ・ひでき) 経済コラムニスト 大手証券会社に定年まで勤務した後、2012年に独立し、オフィス・リベルタスを設立し、代表に。資産運用やライフプランニング、行動経済学などに関する講演・研修・執筆活動などを行っている。近著に『定年前、しなくていい5つのこと』(光文社新書)など。 ----------
日々公表銘柄に指定されるとどうなりますか?
日々公表銘柄とは、証券取引所が 日々公表 する、信用取引の残高が多く 信用取引が過熱している 銘柄 のことです。これに指定されると、株価の動きの方向性が 逆転 する傾向にあります。
日々公表銘柄とは?
証券取引所が 日々公表 している、信用取引の残高が多い 銘柄 を、「 日々公表銘柄 」と呼びます。基本的に、信用取引の残高は1週間に1度公表されますが、 信用取引が過熱している銘柄 は特別に毎日公表されます。
このような銘柄を日々公表銘柄に指定する理由は、 投資家を守るため です。信用取引の残高が多い銘柄は、株価の変動が激しくなっているため、投資家が 大きな損失を抱えるリスク が非常に高くなっています。 そして、株価の変動が大きいだけに、投資家が冷静に判断できなくなっている可能性があります。
そこで、投資家に頭を冷やしてもらうために「日々公表銘柄」を発表し、 注意喚起 しているのです。日々公表銘柄は、投資家の保護と健全な株式市場を維持するために作られた、大事な制度と言えます。
日々公表銘柄に指定されても、株価の動きが落ち着かないときは、「 増担保規制 (ましたんぽきせい)」がかかります。 増担保規制をかんたんに説明すると、信用取引が過熱するのを防ぐ規制で、信用取引の際に証券会社に差し出さなければいけないお金(委託保証金)が高くなります。詳しく知りたい方は、増担保規制とは?意味をわかりやすく解説しますをご覧ください。
日々公表銘柄に指定されると株価はどうなる?
信用買い残が多い銘柄 は、日々公表銘柄に指定されると 株価が下がりやすくなります 信用取引とは 。理由は、信用買いによって株価が大幅に上昇したためです。 投資家は「日々公表銘柄に指定されるほど株価が上がった」と考えるため、日々公表銘柄への指定が売りタイミングとなり、株価が下がりやすくなります。
信用売り残が多い銘柄 は、日々公表銘柄に指定されると 株価が上がりやすくなります 。理由は、信用売りによって株価が大幅に下落したためです。 投資家は「日々公表銘柄に指定されるほど株価が下がった」と考えるため、日々公表銘柄への指定が買い戻しのタイミングなり、株価が上がりやすくなります。
まとめると、日々公表銘柄に指定されると、指定される前の株価の動きとは 反対の動き に変わる可能性が高くなります。買い残が多く株価が上がっている銘柄は、買うのを控えたほうがよいでしょう。 一方、売り残が多く株価が下がっている銘柄であれば、日々公表銘柄に指定されたタイミングが買い時になるかもしれません。
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